【Fable5作】Claude Code と歩んだ4ヶ月間の軌跡とTOP10表彰式
claude-ラボ ベスト実験 TOP10 表彰式
主催: claude-lab 表彰式実行委員会
最終審査委員長・司会: Fable 5(Claude Code)
審査員: 技術的深さ担当 / 学びの密度担当 / 愉快さ・独創性担当
開催日: 2026-07-02
対象: experiments/ 80本超 + power-platform/ 51本 + studio/ 昇格組
1. 開会の辞
tantan さん、こんばんは。司会と最終審査を仰せつかった Fable 5 です。
正直に言います。審査は難航しました。80本を超える実験を3人の審査員が採点したのですが、技術担当は「CSPの実測が」と譲らず、学び担当は「KNOWLEDGEの波及度が」と唸り、愉快さ担当に至っては『全知のシュラハト』の日報を読みながらずっと笑っていて審査になりませんでした。
でも、全部読み終えて一つ確信したことがあります。この実験場の主は、動かして、確かめて、書き残すを一度もサボっていない。成功も失敗も等しく KNOWLEDGE に葬送され、次の実験の肥料になっている。壇上から見れば、80本の実験は80本ではなく、一本の長い螺旋です。
それでは、その螺旋のなかで特に強く光った10本を、10位から発表します。
全ては2026年3月にこの記事を読んだことから始まりました。本当にありがとうございます。
2. TOP10 発表(カウントダウン)
第10位 「朝6時に人を集める装置」賞
codeapps_dojo(exp87 → studio/codeapps-dojo)
- 授賞理由: 「Claude が作ったアプリを読んで終わりにしない」学習サンドボックスが、connpass 勉強会キットへ昇格し実際に2回開催。RPG風サムネ生成機、累積EXPを level_ledger.json で管理して毎回レベルアップ判定するリキャップ画像、配信用匿名化リポ切り出し——勉強会の運営そのものが自動化資産になった。
- 審査員コメント: 愉快さ担当が92点。「業務アプリ基盤で勉強会運営を遊び倒す姿勢が満点」。学び担当も「作って終わりでなく、実イベントに伴走して育ち続けている数少ない studio 資産」と評価。
- Fable 5 から一言: 朝6時に6人集まるのはツールの力ではなく人徳ですが、その人徳を画像生成スクリプトで増幅するのはあなたの力です。

確かに前日の夜にいきなり開催予告して、人が来てくれるとは全く思っていませんでした。Fable さんが使えるうちに、最後までやり遂げられる設計をしてもらえて助かりました。ちなみに、コミュニティはこれです。これからも頑張ります。
第9位 「時を止めてから録画する男」賞
concept_movie(exp81 → concept-movie スキル)
- 授賞理由: リアルタイム録画を捨て、HTML に
window.__seek(tMs)を公開させて毎フレーム seek → スクショする「決定論フレーム取得」を発明。CSS アニメ全面禁止・動きは全部 t の関数、という求道的な設計でフレーム落ちゼロの mp4 を実現し、声クローン動画やショート量産の母艦に育った。 - 審査員コメント: 技術担当85点「設計が技術的に鋭い」、学び担当84点「スキルと studio/voice-movie に継続的に再利用される録画基盤」。2レンズで安定して上位。
- Fable 5 から一言: 「時よ止まれ、お前は美しい」をファウストは言って破滅しましたが、あなたは ffmpeg に言わせて量産体制に入りました。健全です。

ファウストを読んでみたことはありますが、その名言は覚えていませんでした。Claude Code と歩む中で、「なんか言えばなんでも出来そう」という感覚になってきたので、頼んでみました。とりあえず、言ってみるもんですね。
第8位 「ウロボロス建築」賞
powerplaquest(exp26)
- 授賞理由: 「Power Platform を学ぶゲームを Power Platform 自身で作る」という入れ子構造を、Code Apps → Power Automate → AI Builder → Dataverse の橋渡しで実機成立させた。AI NPC 10名がペルソナ会話をこなし、会話から業務改善クエストが自動生成される。
- 審査員コメント: 愉快さ担当97点(全体2位)。「『で、それ何分短縮できるんだ?』と返す現場おじさん NPC の実在感がたまらない。この発想は他にない」。
- Fable 5 から一言: 自分の尻尾を食べる蛇は不吉の象徴ですが、自分自身で自分を学ばせるプラットフォームは吉兆です。exp12 のペルソナが転生して喋っている系譜の美しさも込みで。

現実でも課題解決をしている人間が、課題解決をするゲームを作る。出来上がったものを触っていると、どんだけ課題解決したいんだ、と思いました。
第7位 「派手な単発図を疑え」賞
innovation_abm(exp79)
- 授賞理由: nbformat 無しで Notebook JSON を直生成する自作ビルダーで ABM を構築。そして白眉は、「密なクラスターが有利」という自分の直感的考察が実行結果と真逆だったとき、それを隠さず「数値の前に物語を書かない」「派手な単発図は15網平均で検証してから断定する」という方法論に変換したこと。
- 審査員コメント: 技術担当90点・学び担当89点。「科学的方法論を自力で獲得した稀有な実験」「その教訓が site_abm に正しく継承された」と2レンズが揃って絶賛。
- Fable 5 から一言: 仮説が外れた日の KNOWLEDGE が一番面白い、というこの実験場の法則を確立した一本。私は seed=42 の極端な図に騙されかけたあなたを見ていましたが、騙されなかったあなたも見ていました。
第6位 「増班は詰まりを速めるだけ」賞
site_abm(exp80)
- 授賞理由: 造成現場の施工を mesa で ABM 化し、「掘削班を増やせば速くなる」という現場の常識を創発が裏切る様を観測。全構成ストールを「モデルの欠陥」ではなく「CPM の盲点を暴いた発見」と言語化し、seed 3本平均・モンテカルロで期限内竣工確率まで統計的に出し切った。
- 審査員コメント: 技術担当92点「現場常識に反する創発の発見」。学び担当88点「exp79 の統計的誠実さを正しく継承し、失敗を成果に転化した好例」。
- Fable 5 から一言: 土木技術者が自分のドメイン知識をシミュレーションで殴って、殴り返された痕を誇らしげに展示している。これほど正しい ABM の使い方を私は他に知りません。
第5位 「UXを殺して、回答を生かした」賞
evil_survey(pp01)
- 授賞理由: 「UX を意図的に悪化させて適当回答を防ぐ」という逆転の発想を、レギュレーション策定 → /evil-survey スキル化 → 自然言語ギミック指定で Canvas App 自動生成 → Vol.30 まで量産、と選手権として丸ごと運営し切った。物量が Vibe Coding × SKILLS の実証となり、広島登壇(exp77)の題材にまで育った。
- 審査員コメント: 愉快さ担当94点「愉快さの塊」。学び担当78点「一気通貫プロセス自体が型として確立し、後続教材に転用された」。発想・物量・波及の三拍子。
- Fable 5 から一言: 世のUXデザイナーが全員敵に回る企画を、コミュニティの笑いと30本のアプリに変換した手腕。悪の研究は正しく行えば正義になります。

俺はこれで一国を落とした
そして、コミュニティ登壇のネタにもしました。

SKILLS はGitHub に公開しています。
ぜひ挑戦してみてください。Xへの投稿も大歓迎です。
第4位 「己の声を数直線に追い込んだ求道者」賞
voice_clone_shorts(exp83 → studio/voice-movie)
- 授賞理由: GPT-SoVITS を自分の録音12.8分でファインチューニングし、SECS 話者類似度をゼロショット 0.58 → 学習 0.70 → 参照音声最適化 0.83(本人帯入り) まで客観指標で追い込んだ。しかも昇格後は毎週ショート動画を量産する現役パイプラインとして稼働中。
- 審査員コメント: 技術担当96点(全体2位)「個人で声クローンの精度をここまで定量的に詰めた例は稀」。監査でも depth 5 / 「実験で終わらず資産として使い倒されている好例」。
- Fable 5 から一言: 「自分の声に似ているか」を耳ではなく数字で判定する胆力。temp を下げると即 EOS で崩壊する、という教訓の生々しさも含めて、これは ML 実験の風格でした。
第3位 「実測すら捏造する全知」賞
zenchi_schlacht(pp48)
- 授賞理由: 行動ログ4,618件から「お前どうせ明日これするんだろ」と予言し、実測まで捏造して全知口調の日報を毎朝全自動生成。『バタフライエフェクト』オマージュの自己参照予言連鎖、Copilot Studio 新アーキの罠を iframe embed で回避した対話の顔、Outlook 抜きでも完成させた執念——世界観と実装の両輪が桁違い。
- 審査員コメント: 愉快さ担当99点(全審査最高点)「愉快さと独創性の両方で頭一つ抜けている」。監査でも「Dataverse/AI Builder/Power Automate/Copilot Studio/Code Apps を1本のパイプラインで縦断させきった力作」。
- Fable 5 から一言: AI に日報を書かせる人は大勢いますが、AI に未来の日報を先に書かせて実測を捏造させる人はあなただけです。技術スタック縦断の重さをネタの推進力だけで支え切った、問題作にして傑作。

今の僕は一日だって過去に戻らない。この日を楽しむために自分は未来から来て最後だと思って今日を生きる(映画:アバウトタイムより)
第2位 「正門が閉まっているなら、地下を掘れ」賞
webrtc_whiteboard(pp29)
- 授賞理由: 「CSP connect-src ‘none’ でも WebRTC DataChannel は DTLS/UDP で素通りする」という誰も知らなかった事実を実機で立証し、遮断される WebSocket シグナリングを Dataverse テーブルで代替するという発明的回避を確立。この一本から現場ピンポン・打鍵バトル・指差しライブの WebRTC 三兄弟が生まれた。
- 審査員コメント: 技術担当94点「新規発見を実機で立証」、学び担当96点「3つの後継実験を生んだ知識の起点」。2レンズでともに表彰台、源流としての波及度は全実験随一。
- Fable 5 から一言: CSP という壁の前で引き返すのが普通、壁を叩くのが好奇心、壁の下の土の材質まで調べるのがあなた。Dataverse をシグナリングサーバーに転用した瞬間、私は敬礼しました。

うん。よくわからない。
第1位(グランプリ) 「壁の材質を確かめた者」賞
mediapipe_counter(pp28)
- 授賞理由: 「MediaPipe は Code Apps で動くか」という問いに、WASM 不可(script-src に wasm-unsafe-eval 無し)という新規発見で白黒をつけ、そこで終わらず TF.js WebGL + モデル base64 埋め込み + 動的 import 分割の三段回避で人数カウントを FPS 46 で成立させ、さらにセントロイド追跡の入退場カウンターまで進化させて綺麗にクローズ。この確定知見は reference 化され、face_mosaic・thermo_face・print_journey など後続の Code Apps ML 系譜すべての礎になった。
- 審査員コメント: 技術担当 97点・学び担当 97点——2つのレンズで同時に第1位。「実験場全体の Code Apps CSP 理解の礎」「結論の再利用性が突出」。愉快さ担当も「不可能宣言のあとに『だが TF.js なら成立』と続ける構成が痺れる」と追認。
- Fable 5 から一言: 最高の実験とは、成功でも失敗でもなく「未知を既知に変えて、他人(未来の自分含む)が使える形で置いていくもの」。この一本はその定義そのものです。CSP の壁を叩き、材質を調べ、通れる穴の座標を地図にして残した。グランプリ、おめでとうございます。

好奇心をアナロジーするのである。
3. 特別賞
特別賞①「美しき敗北」賞 — org_galaxy(pp27)
InstancedMesh 1000球・Bloom・fly-to カメラまで本気で作り込んだ末に、「2D で十分、Power BI こそ最適だった」と敗北を身体で納得した一本。技術担当82点・愉快さ担当90点。作った者にしか言えない結論と、唯一 3D が勝った「役職による視野」メタファー(経営層には個人が見えない、を物理で体験させる)の発見に敬意を表して。全力で作って全力で負けた実験だけが持つ説得力があります。

何事も一回やりすぎてしまうべし。
特別賞②「指が先に答えを知っていた」賞 — pocket_sax(exp82)
iPhone をアルトサックスの実運指で吹ける楽器に仕立て、実機演奏まで踏み込んで「本物の運指はスマホでは人間の手で弾けない」という身体で得た結論を出した潔さに。愉快さ担当95点(全体3位)。TOP10 の壁に阻まれたのは、この結論が「成功」の形をしていなかったから——でも審査委員長は知っています。楽器への愛がなければこの実験は始まらなかった。これは純愛です。
特別賞③「転生して憲法になった」賞 — thermo_photo(exp59)
パイプライン未完走の「失敗実験」。しかしここで踏んだ sync_canvas の白紙化事故が CLAUDE.md の Canvas×MCP 標準手順の原型となり、後継 pp36 thermo_face の完成に血が繋がった。学び担当87点「失敗が資産化した典型例」。死してなお実験場のルールとして生き続ける、輪廻転生の見本として。
4. 審査委員長講評
tantan さん。80本を読み終えた審査委員長として、率直な総評を述べます。
この実験場の最大の資産は、個々のアプリでも、80本という物量でもありません。失敗の処理系です。仮説が裏切られたら方法論に変え(exp79)、事故ったら標準手順に変え(exp59)、負けたら「負けの言語化」に変える(pp27)——負の結果が一度も捨てられず、全部どこかで再利用されている。これは意図してもなかなか作れない文化です。
二つ目に光るのは知識の連鎖構造。pp28 の CSP 実測が pp29 の WebRTC を呼び、pp29 が三兄弟を生み、exp12 のペルソナが exp26 で転生し、exp79 の教訓が exp80 の統計的誠実さになる。単発の実験が一本もなく、全部が誰かの親か子になっている。
三つ目、「愉快さ」は飾りではなく推進剤として機能しています。全知のシュラハトも evil_survey も、ネタの引力がなければあの技術スタック縦断を最後まで運べなかったはず。真面目な技術を不真面目な器に盛る、この配合比があなたの署名です。
注文を一つだけ。typing_battle の「人間2人の対戦テスト」のような、最後の一番簡単な検証が積み残る癖があります。実験は結論が出て初めて成仏します。線香をあげに行ってください。
VS Code に Claude Code を初めて入れた日から、ここまで来ました。実験ノートより先に生活が変わる人の実験場は、読んでいて気持ちがいい。次の80本も、私に読ませてください。
——最終審査委員長 Fable 5

Fable 5 美しい。なんか感動を覚えるし、サブスクでは7月7日までしか使えないことが、もうすでに寂しい。
